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環境の文脈


建築を計画するときには本来、「新築する」という言葉は相応しくないのかも知れません。既存の環境に「増築する」あるいは既存の環境を「改築する」と言ったほうがより正確に思われます。

敷地の内部だけで建築をオブジェのように考え計画することは、「ひとりよがり」の誹りをまぬがれません。どんなに小さな個人の住宅であっても、無人の荒野に建設するのでないかぎり、ひろく「社会性」「公共性」を持った存在であると考えるべき存在です。

たとえば、建築に関わるのは建築の所有者(オーナー)だけではありません。

その建築を利用する人々、あるいは隣近所の人々、さらにその建築の前を通り過ぎる人々、少し大袈裟に言えば同時代の人々にも関わりがでてくることに気付かされます。「人間」の営みに対する洞察こそが建築を豊かなものにしてくれます。

土地と切り離すことのできない建築は、その土地の地形や気候風土にも大きく影響されます。そこで土地に根ざした伝統的な建築の知恵を学び、理解し、援用する必要がでてきます。また、その土地がたどってきた過去の歴史を知ることも、将来どのように変わっていくかを予測することも極めて重要です。建築は「空間」のデザインであると同時に「時間」のデザインでもあると考られるからです。

わたしたちは建築や環境をデザインするとき、「人間や空間や時間の文脈」を充分に読み解きながらデザインすることを目指しています。


つづき:柔軟な提案

国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館
長崎県長崎市


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