Ark館ヶ森

竣工年2023
場所岩手県一関市  [Map]
事業主株式会社アーク
設計・監理栗生明+北川・上田総合計画
協働構造設計|レン構造設計事務所
設備設計|ZO設計室
照明デザイン|内原智史デザイン事務所
サイン・什器設計|ソーリツ
ランドスケープ・アドバイザー|GRANSCAPE
グラフィックデザイン/パッケージデザイン|CYALAXY
コンセプト・ステイトメント、ロゴ・VIデザイン|MIDORIS
施工平野組

「食はいのち」の理念のもと、養豚を基幹事業に無農薬の小麦や野菜、無添加のハム・ソーセージ等を生産し、循環型農業を実現する岩手県一関市の(株)アーク。
その生産者と消費者の交流の場として構想された牧場「Ark館ヶ森」(旧「館ヶ森アーク牧場」)において、中長期計画を構想するグランドマスタープランの策定から、既存施設の改修2棟と新築2棟を含む大規模リニューアル工事の設計・監理、さらにロゴや生産品パッケージ、Webデザインなどの総合的なリブランディングを統括しました。

牧場の生産品を扱う「ファームマーケット」は、既存のバックヤード機能の一部移転によって売場面積を拡大(移転先の物流拠点「ファームベース」も2021年に弊社設計・監理で竣工)。改修によって木造の小屋組みを現し、大きな気積の下で「精肉」「有機小麦(ベーカリー・菓子)」「有機野菜」の3本柱を軸に売場を再構築しました。店内の各製造部門はガラス張りで可視化し、安心・安全の食づくりを体現しています。外観は赤い切妻屋根の群として見える牧場の風景を参照し、入口に切妻型の門構えを増築することで、来園者の第一印象をより鮮明に印象づけ、店舗の誘引性を高めました。

牧場で生産されるオーガニック食材を提供する「レストラン・ティルズ」は、100haの牧場の全景を見渡せる円形の既存建物を活かしながら、増築により客席の拡張やオープンキッチンの増設、個室の付加を行いました。各面は断熱性の高い1枚ガラスの窓に入れ替え、牧場の風景を絵画のように切り取るとともに、西日による日射負荷を低減しています。

リニューアル以前、来園者は自家用車で園内を回っていましたが、今後は原則として車の乗り入れを止め、周遊バスと徒歩で散策するよう運営が見直されました。それに伴い、入園ゲートとして弓型の木造のグラスハウス「ファームエントランス」を新築し、チケット販売やプラントショップ、ワークショップの機能を設けています。来園者は広大な園内を歩き回りながら、四季折々の花や動物とのふれあい、放し飼いの鶏のたまご拾い体験などを五感を使って楽しむことができます。

来園者を誘導するサインも一新されました。支柱となったH鋼材は、創業当初から使われてきた豚舎の解体に伴う廃材をアップサイクルしています。ここでも循環型農業に取り組むArk館ヶ森の思想を表現し、企業の歴史・記憶の継承を図りました。

今回のリブランディング/グランド・リニューアルは当初描いたグランドマスタープランの一端です。牧場のさらなる発展・成熟に向かって事業主と対話を続け、将来構想も常にアップデートされていきます。

(以下、特記なき写真は撮影:藤井浩司)

撮影:MIDORIS
撮影:MIDORIS
撮影:MIDORIS
撮影:MIDORIS
撮影:MIDORIS
撮影:MIDORIS
撮影:MIDORIS
撮影:北川・上田総合計画
撮影:MIDORIS
撮影:MIDORIS